汗の臭いの原因について
暑い日や運動などをして身体を動かすと、自然と汗が流れます。でも、爽やかな汗ならいいのですが、汗の臭いを不快に感じるという人も少なくありません。汗をかいて、人からこの人汗臭いとソッポを向かれないように、日頃から汗の臭い対策をしていくことは大切です。
汗は基本的に臭いと思われているかもしれませんが、実は汗というものはほぼ無臭です。汗には塩分が含まれているので、多少塩の臭いがする場合もありますが、鼻に付くようなイヤな臭いはしません。では、汗のイヤな臭いとは、一体何が原因なのでしょうか。
菌が汗や皮脂を食べて増殖すると臭くなる!
汗をかいてしばらくすると、汗臭さが気になってきます。汗が皮脂や垢などと混ざると、皮膚の表面に存在している菌が増殖します。これらの菌は、人の汗や垢、皮脂が混ざったものを餌にしているからです。その餌を分解する時に、アンモニアに似たイヤな臭いを放つため、汗が臭くなるのです。特に、汗をかいた6時間前後が最も臭いが強くなる傾向があります。これが一般的に言う汗臭さの正体なのです。
汗には良い汗と悪い汗の2種類ある!
スポーツなどをして身体を動かした時にかく汗は気持ち良く、サラッとしていて、臭いもあまり気になりません。一方、満員電車や暑い日にクーラーのあまり効いていない部屋などに長時間いる時にかく汗は、ジメっとしていて乾きにくいベタベタした汗です。
前者を良い汗、後者を悪い汗と呼びます。良い汗はサラッとしていて乾きやすく、臭いがほぼありません。そして、悪い汗はベタベタしていて乾きにくく、臭いやすいのです。これら2つ汗の違いは、汗に含まれるミネラルです。本来、汗の99%は水分でできており、残りがミネラルです。これら良い汗と悪い汗の特徴については、以下の通りです。
良い汗の特徴!
私達の身体は体温が上昇すると、体温を低下させるために自然と汗をかきます。汗をかくと、水分とともにミネラルも排出されますが、ミネラルは再吸収されます。ミネラルは、人間の体にとって大事な成分なので、一旦排出しても、また取り戻そうとするからです。そうすると、皮膚には水分と塩分が残ります。
また通常、肌というものは菌を殺菌するため弱酸性に保たれています。肌が弱酸性に保たれていることで、汗をかいても菌が繁殖しにくく、臭いにくくなるのです。また、汗の中に含まれているミネラルも少ないため、乾きやすいのです。
悪い汗の特徴!
一方で、悪い汗には多くのミネラルが含まれています。悪い汗をかく人は、日頃から油っこいものを多く摂っていたり、運動不足の人に多いと言われています。肉類や脂肪分の多い食生活、さらに運動不足で汗をかく習慣がないため、汗腺の機能が弱まっているのです。
そのため、いざ汗をかいた場合には、汗の中にミネラルが排出されやすく、且つ大量であるため、皮膚への再吸収も間に合わないのです。そのため、残ったミネラル成分により肌がアルカリ性に傾いてしまうため、肌の殺菌作用が低下してしまうのです。
殺菌力の弱った肌では、皮膚の表面に菌が繁殖しやすい状態であるため、イヤな臭いが発生してしまうのです。
良い汗をかくための対策について!
現代の人は昔の人に比べ、悪い汗をかきやすくなったと言われています。それは、昔に比べて、生活が何もかも便利になったため、運動不足に繋がっているからです。さらに、食生活も欧米化し、肉食中心の油分や脂肪分を多く摂るような食生活になりました。
そのため、良い汗よりも、悪い汗をかきやすくなったのです。油分や脂肪分の多い食生活を改め、和食中心の食生活を心掛けるようにしましょう。また、日頃から適度な運動を取り入れるようにし、良い汗をかけるような生活習慣を身に付けることが、汗の臭い対策となるのです。