知らないと危ない汗の役割、対策の落とし穴
汗対策と言えば、まず思いつくのが制汗スプレーです。制汗スプレーの仕組みは塩化アルミニウムで汗腺を塞いで制汗するというものですが、本来出るべき汗を無理矢理に抑え込んでいる状態が良いはずがありません。制汗剤には汗の臭いを誤魔化すために強力な香料が配合されている事が多く、その香りで周りに不快感を与える可能性もあるでしょう。
本題に戻りますが、なぜ汗を抑え込むことが良くないのかは、汗の役割に理由があります。ご存知の通り、汗には体温調節という非常に重要な役割があり、汗が出るから余分な熱が体外に排出されるのです。この機能があるからこそ気温の上昇やスポーツの時に上がった体温を下げ、正常な体温を保つ事ができます。
汗をかかないと熱が外に排出されず、満足に体温調節ができなくなり、ひどい場合には頭痛やめまい、吐き気などに襲われるといった症状や、老廃物が体内に溜まる事で体臭の悪化を招いてしまう恐れがあるのです。汗を気にして体臭がひどくなりました、では冗談にもなりません。どうしても制汗スプレーを使うのなら極少量にとどめておくべきです。次に室内での汗対策としてクーラーがあります。
確かに快適に過ごせるので夏場は頼りがちですが、これも良くはありません。室内と室外の急激な温度差に対応できない場合に倦怠感や頭痛や食欲不振などの症状が起こってしまいます、冷房病と言われている症状です。クーラーを使用する場合は外との温度差は5℃以内にして冷風が直接体に当たらないようにしましょう。
これらの理由から、汗をかかなくするような汗対策は非常に危険だと言えます。ならどのような対策が良いのか、次はそれについて書いていきたいと思います。
汗腺を衰えさせるな!汗はしっかりかいていけ!!
汗をしっかりとかいた上での対策方法は速乾性のインナーや、特に汗をかきやすい部分である脇のパッドなどがあります。最近では速乾性だけではなく、消臭力にも秀でて尚且つ目立たない商品が出ており、技術の進歩には目を見張るばかりです。そういった商品もオススメなのですが、それだけでは完全とは言えません。
汗の臭いやベタつきといった不快感を解消するためには汗腺トレーニングをしましょう。トレーニング方法は至ってシンプルで汗をしっかりとかく、それだけで良いのです。日頃からのジョギングやその他のスポーツ、お風呂なら半身浴が有名ですね。
ジョギングは1日20分程を週に2回程度、半身浴は心臓の位置よりも下の水位での入浴を20分〜30分程度で行います。半身浴ではなく普通の入浴でも構いませんが、その場合はノボセないよう注意して下さい。ジョギングや半身浴はダイエットにもなるので、肥満からくる多汗の対策にもなります。
そしてトレーニングをした後は必ずスポーツドリンクなどで水分補給をして下さい。日頃からしっかり汗をかいていると、汗腺が正常に働いて「良い汗」がかけるのです。良い汗とは塩分やミネラルを含まない汗の事で、悪い汗は塩分やミネラルも一緒に流れ出てしまい臭いがキツくなる汗の事です。
舐めてみてしょっぱいのが悪い汗と簡単に見分ける事ができます。良い汗は不純物が少ないのですぐに乾き、嫌な臭いもないので自分にも他人にも不快感がない汗と言えます。
最初に言った制汗剤で抑える方法だと、汗腺の働きが衰えて必然的に悪い汗になってしまい、少量でも不快感を招いてしまうのです。そのため、トレーニングで汗腺の働きを正常にして、インナーやパッドでケアをする事こそが「真の汗対策」と言えるのではないでしょうか。汗をかく事は恥ずかしい事ではないので、良い汗をかいて健康的な生活を送っていきましょう。