汗の臭いが気になるなら食習慣の見直しも必要
汗の臭いが気になるものの、どのような対策をすればいいかわからないという人もいます。こまめに汗を拭いても臭いが出てしまう人も多く、体質なのかと諦めてしまいがちです。注意したいのは、汗の臭いは食習慣などの影響を受けることです。
クリームなどを塗って対処をしても、臭いが出やすい習慣を続けていれば効果が薄くなってしまうことがあります。特に注意したいのが、ダイエット時の食事のバランスです。炭水化物を抜いてたんぱく質を摂取し、脂肪を燃やすダイエットが人気になっています。しかし、たんぱく質を摂取して脂肪を燃焼させるダイエットは、体臭をきつくしてしまう場合があるのです。
人間の体は炭水化物から糖分を作り出し、血液に循環させることでエネルギーを補給しています。しかし、炭水化物を抜くと血糖値が下がりやすくなるため、肝臓などを経由して脂肪を分解するケトン体を増やすように脳から指示が出ます。ケトン体が増えると、脂肪の分解が進み、脂肪をエネルギーとして使えるようになります。
しかし、ケトン体は体を酸化させ、体臭をきつくしてしまう副作用があるのです。汗の臭いだけでなく口臭が強くなってしまうこともあります。食事自体をとらない無理なダイエットをしてもケトン体が生産され、同じように臭いがきつくなってしまうことがあるのです。
汗の臭いが気になる場合は、食習慣を見直し、無理なダイエットなどを控えた方が良いのです。炭水化物を抜くダイエットは肝臓に負担をかけるため、長期的に続けると健康リスクにつながるケースもあります。炭水化物と野菜や果物、肉や魚など、栄養のバランスを考えながら食事をすることが体臭予防につながります。
汗の臭いではなく加齢臭が原因となることも
汗の臭いと思っているものが加齢臭というケースもあります。注意したいのは、食習慣や生活習慣によって実年齢以上に肌年齢が上がり、加齢臭が発生するケースがあることです。加齢臭は脂肪酸と過酸化脂質が結びつき、ノネナールという体臭物質が増えることで発生します。
脂肪酸とか酸化脂肪酸が増える原因になるのが、脂肪分のとりすぎです。また、新陳代謝が鈍ることで老廃物の排出が滞り、過酸化脂質が出来やすくなることもあります。睡眠不足やストレスで代謝が鈍ることもあるため、一時的に臭いがきつくなってしまうこともあるのです。ストレスがかかる状態や、過労状態が続けば、臭いは抜けにくくなります。
体質自体を臭いを生産しやすいものに変えていくため、生活習慣を根本的に見直したほうが良いケースも出てくるのです。対策として重要になるのが、食生活の見直しと休みのバランスです。食事の内容を見直すだけでなく、睡眠時間を増やすことや、睡眠の質自体を良くしていくことが大切になります。アルコールの取りすぎなども悪影響を与えます。
アルコールは肝臓に負担を与えるだけでなく、睡眠を浅くする効果があります。寝つきを良くするためにアルコールを飲んでも、睡眠の質は低下していることがあるのです。運動不足や体の冷えも代謝を鈍らせる原因となります。体を動かし、冷やさないようにすることも大切になります。
対策としてデトックスを取り入れる方法もあります。お風呂やサウナでしっかりと汗を流し、水分を補給することで老廃物を流し、代謝を活発にしていくことがプラスになります。お風呂上りの汗の臭いをかげば、どの程度深刻かもわかりやすくなります。汗が臭わないようであれば、汗をきっかけに皮膚で雑菌などが繁殖し、臭いの元になっている可能性もでてきます。
肌が健康な状態であれば雑菌も繁殖しにくくなるため、積極的に毒素を体の外に出すことを意識した方が良いのです。お風呂上りは温かい飲み物を飲んで体の中から冷えるのを避けるなど、ちょっとした工夫を加えるのもおすすめです。
汗の拭きすきすぎで肌に負担が掛かっているケースも
汗の臭いが気になる場合は、どうしても汗を拭く回数が多くなります。汗対策としてウェットシートなどを常備しているケースも多く、使用後の爽快感を重視したものなども販売されています。問題なのは汗の拭きすぎで肌を傷つけてしまっている場合や、有益な菌まで殺してしまっている場合です。
汗の拭きすぎで体臭がきつくなってしまうケースも存在し、対策をしているつもりが逆効果になっている場合があるのです。まず、汗を拭く場合は体をこすり過ぎないようにする必要があります。肌を強くこすればそれだけ負担がかかります。肌の老化を強めてしまう場合や、色素沈着の原因となってしまうケースもあります。
汗を拭く場合は優しく拭くことを意識する必要があります。爽快感があるウェットシートを使う場合は、アルコールなどが入っていないかチェックするのがおすすめです。アルコールや除菌成分は臭いをとってくれる効果が強くなりますが、肌を守る菌まで殺してしまうことがあります。皮膚の表面には皮膚を守る菌が存在し、雑菌の繁殖を防いでくれるのです。
しかし、完全に肌を殺菌してしまうと有益な菌が生きることができず、悪玉菌などが繁殖しやすい原因になります。肌が弱い場合や荒れがちな場合はアルコールなどを含んだウェットシートを避けるのが基本です。また、汗自体を少なくするために服装を見直すなど、対策の仕方自体を見直した方が良い場合もあるのです。暑すぎる場合は室温を調整するなど、環境の見直しとセットにするのもポイントです。
わきが治療は保険手術の適用範囲になることも
汗の臭いが気になり、生活に支障をきたすレベルであれば保険診療の対象になることがあります。わきが手術は保険適用が可能になるケースがあり、臭いの元になる部分を除去することで良くなる場合があるのです。保険診療で手術をするためには、臭いなどに問題があることを証明する必要があります。
一般的には病院で渡されたガーゼに汗をしみこませ、臭いをチェックして問題があれば保険適用になります。臭いをかがれること自体に抵抗がある場合は、美容外科などで保険適用外の手術を受けるという方法もあります。自由診療になるため、手術は数十万円単位になることもありますが、生活の質自体が大きく変わることがあります。
一生悩み続けるよりも手術を行って解消してしまった方が良い場合は多いのです。わきの下の手術であれば目立たないことが多くなりますが、手術跡が気になるのであればより高度な治療を受けられるクリニックを受診するという方法もあります。傷跡が目立たない手術が存在するだけでなく、注射による治療も誕生しています。
わき以外の多汗症に対応しているクリニックも存在するため、部分的に気になる部分の手術をしてしまう人もいます。重要なのはまず習慣を見直し、それでも改善されない場合に手術などを検討するという順番です。生活習慣などの影響で臭いが出ている場合は、体に負担をかける習慣が当たり前になっている可能性が高くなります。
汗や臭い以外にも影響を与えている可能性が高いのです。手術をする前に、普段使っている汗対策のクリームなどを見直すだけで改善される場合もあります。シンプルに臭いに効くクリームなどもあるため、あわせて見直したいポイントになっています。様々な選択肢があった方が精神的に負担が少なくなるため、見直せる部分を少しずつ見直していくのがおすすめです。
