汗の種類と臭いの原因
エクリン腺の特徴
汗を出す汗腺には2種類ありますが、その中でも多いのがエクリン腺です。エクリン腺から出る汗の特徴としては、蒸発しやすくサラッとした汗となります。汗自体にも臭いはないので、エクリン腺から出た汗をかいた時には、気持ちの良い汗だと感じるでしょう。
この無臭のエクリン腺の汗ですが、強いストレスを感じた時に、強い臭いを発生させることがあります。ストレスによって自律神経が刺激されることによって、エクリン腺の成分の中のアンモニアが臭いの原因となります。またエクリン腺は蒸発しやすい特徴を持っているので、強いストレスを受けて一気に汗をかいた後、蒸発した汗の成分は衣服についてしまいます。
汗の成分が汗臭い臭いとなるので、体はサラッとしているのに衣服から汗臭い臭いがするのです。エクリン腺の汗はサラッとして気持ちがいい汗ですが、ストレスの刺激を受けることで臭う特徴を持っています。
アポクリン腺の特徴
2種類の汗腺のうちのもう一つがアポクリン腺です。このアポクリン腺から出る汗は、臭いが強い特徴を持っています。アポクリン腺がある部位は脇の下、耳の中、性器周辺など、誰もが臭いを気にする部位に集中的に存在しています。
このため脇の下や耳の後ろから出る汗は、臭いが強くて臭い特徴を持っているのです。臭いが強い特徴を持つアポクリン腺ですが、元々の働きが臭いを排出する役割を持った汗腺です。このため臭いが強い特徴を持ったベタついた汗となります。
汗が臭う原因
2つの汗腺から出る汗はどちらも無臭ですが、ストレスを感じ臭いを排出する以外にも、皮膚の細菌によって汗の臭いが強くなります。エクリン腺の汗は塩分、尿素、アンモニアが混じっており、アポクリン腺の汗はタンパク質、脂質、鉄分が混じっています。
汗は透明に見えても複数の成分が含まれているので、体の皮膚についた細菌が汗を分解することによって汗臭い臭いとなるのです。このため汗をかいた時に皮膚の細菌とくっつくと汗臭い臭いを放つので、清潔にしていないほど臭いが強くなってしまいます。
汗をかくことの重要性
汗の性質で臭い方も違う
汗臭い人は自分でも自覚症状があるので、なるべく汗をかかないようにすることも多いです。汗をかかなければ臭わないと思っているので、汗をかかない生活を送ろうと自分なりに対策しているのでしょう。しかし汗自体には無臭で臭いがないので、汗をかいた後の対策をすることが大切です。
汗っかきの人もいれば汗をかきにくい人もいますが、決して汗っかきだからといって臭う訳ではありません。逆に汗をかかない人の方が汗をかいた時に臭うことも多いので、汗の量と汗の臭いは必ずしも一致しません。汗の量よりも種類によって臭い方が違うので、サラサラ汗よりもベタついた汗の方が臭いが強くなります。
汗をかかないと臭いだけでなく体に悪影響を与える
汗の臭いを抑えるために汗をかかないようにしていると、汗腺の働きが弱くなるので臭いが強くなる可能性もあります。汗をかかなければ臭わないと思って、普段から冷房の効く部屋にいると汗腺の働きも弱まります。汗腺にはミネラルを吸収するという役割があるのに、その働きが弱まるとミネラルを吸収できなくなってしまいます。
このためミネラル不足となって体に悪影響を与えてしまうのです。冷え性、むくみ、貧血、頭痛、ストレスなど多くの悪影響を体に与えてしまうので、汗は適度にかいた方が体にも良いです。汗腺が弱っている時の汗はベタつくような汗なので、汗臭いと感じたら逆に汗をたくさんかいて発散させましょう。
汗の臭いを抑えるための対策
こまめに汗を拭く
汗の臭いを抑える対策としては、やはり汗をこまめに拭き取ることが有効な手段のひとつです。汗自体は臭いがなくても、肌の常在菌と交わることで臭いを発生させてしまいます。そのため汗をかいたらこまめに汗を拭き取ることによって、臭いを発生させる前に対処することができます。
汗と常在菌が交わって臭いを発生させるまでの時間は約1時間程度なので、汗をかいたと思ったらほどなくして汗をしっかり拭き取りましょう。汗を拭きとる時には乾いたタオルよりも、絞ったタオルやウェットシートがおすすめです。肌の水分をすべて拭きってしまうとより汗が出やすくなるので、少し水分が残っている程度に拭き取る方がおすすめです。
水分を取って普段から汗をかく
汗の臭いを抑えるには汗をかかないのではなく、普段から汗をしっかりとかくことが大切です。汗をかいた時にベタつくような汗の場合には、汗腺の働きが弱い可能性が高いです。そのため普段から汗をかいて汗腺を鍛えることで、健康的なサラッとした汗をかくことができます。
汗の役割は体の体温調整をするために汗をかくので、水分をこまめに取ることも大切なことです。汗をかかなくなると臭いもどんどん強くなるので、普段から汗をかくことを習慣化させましょう。
食生活を見直す
汗の臭い対策として食事を見直すことは大切なことです。汗の臭いを抑えるには脂っこい食事や揚げ物などを控えて、健康的な食生活を目指しましょう。塩分は汗がベタつきやすく、甘いものはアポクリン腺を活発にするので、臭いの強い汗をかきやすくなります。
汗の臭い対策として食生活を見直す時は、ナッツ類や大豆製品などを食べることもおすすめです。ビタミンが汗の臭いを抑える役割を担っているので、食生活を見直しながら臭い対策ができます。
殺菌し過ぎない
汗の臭い対策として消臭グッズを使うことは有効な方法なので、こまめに消臭グッズを使って臭い対策をしましょう。しかし逆に殺菌し過ぎると臭いが強くなる可能性もあるので注意が必要です。汗は肌の常在菌とくっつくことで臭いが強くなりますが、肌の常在菌はすべてが悪い細菌ではありません。
悪い細菌から肌を守ってくれる善玉菌もいるので、殺菌をし過ぎることで善玉菌もいなくなってしまいます。すると肌を守る菌がいなくなるので、細菌が繁殖しやすい状態となり、汗臭くなってしまうのです。臭い対策が逆効果となることもあるので、殺菌しすぎないように気をつけましょう。
ストレスを溜め込まない
ストレスは体に悪影響を与えますが自律神経にも影響を与えるので、エクリン腺の汗の臭いが強くなる可能性もあります。ストレスによって汗臭いだけでなく、口臭も臭くなることも多いので、ストレスは常に溜めないように発散することが大切です。運動して汗をかくことでストレス発散にもなるので、自分なりのストレス発散方法によって、気持ちの良い汗をかきましょう。
気持ちいい汗をかくことのメリット
サラサラ汗は臭いもなく健康的
サラサラ汗はエクリン腺の汗で臭いもなく、すぐに乾く特徴があります。そのため運動をして汗をかいた時でも、サラッとした汗の場合には臭いません。気持ちの良い汗をかくことができるので、健康的な生活を送ることもできます。普段から汗をかくことに慣れていれば、汗腺の働きも活発になるので、臭いのしないサラッとした汗をかくことができます。
加齢臭対策になる
普段から汗をかくことによって加齢臭対策にもなります。加齢臭は体の中に溜まった脂肪が臭いを強くさせるので、普段から汗をかいて発散させることが大切です。加齢臭は運動不足や食生活の乱れによって、臭いが強くなることもあるので注意しましょう。普段から運動して健康的な生活を送るほど、汗の臭いも抑えて加齢臭対策をすることもできます。