汗のタイプ
汗腺の違い
人間がかく汗は、「エクリン汗腺」と「アポクリン汗腺」と呼ばれる汗腺から分泌されます。日常的に「汗をかく」として表現される汗は、主にエクリン汗腺から出ている汗です。運動や暑さなどによってエクリン汗腺から出てくる汗は、発汗後すぐはサラサラしていて無臭です。
また、アポクリン汗腺から出る汗は、わきがの原因とも言われる汗であり、粘性が強く臭いを伴った汗です。
アポクリン汗腺が発達している人や、汗腺の数が多い人は、わきが体質になる傾向にあります。
汗が臭い始めるメカニズム
本来かく汗は無臭であるはずなのに、汗をかくと臭ってしまうのには理由があります。では、エクリン汗腺から出た無臭の汗が、やがて臭いを発するようになるのは、どんなことが原因となっているのでしょうか。
汗を放置
汗は発汗してすぐは無臭ですが、肌表面にしばらく放置されることで皮脂や垢などの汚れと混ざります。やがて皮膚に常在している細菌が、この汗から水分と栄養をもらい、増殖や分解される過程で臭いを発生させてしまいます。かいた汗をすぐに拭き取らず、しばらく肌表面に留まらせてしまうことが原因です。
汗腺機能の衰え
汗をかく機会がすっかり減少してしまった現代人は、汗をかく機能までもが衰えてしまっています。エアコンなどの冷房設備が整った環境で過ごすことも多く、汗をかく機会が減少してしまったことで、汗腺機能が衰えてしまっているのです。
汗腺機能が衰えた状態で汗をかけば、上手に発汗することができないため、どうしても臭いの原因となってしまいます。積極的にスポーツや運動に取り組み、日常的に汗をかく人と比較すると、汗をかく機会が少ない人の汗腺機能の衰えは、一目瞭然です。汗を頻繁にかくことで汗腺が鍛えられている人は、本来なら汗をかいてもさほど臭いを発生させることもありません。
汗を臭わせないために
汗対策グッズの利用
汗をかくことで臭いが発生するとなれば、エチケットという面からも早急に対処する必要があります。汗をかいてしまったら、臭わないための配慮が大事であり、汗の臭い対策に役立つグッズを使うことも効果的です。汗の臭い対策グッズとして、下記のようなものがあげられます。
- 制汗剤スプレー
- 汗ふき取りシート
- 消臭インナー
- 制汗クリーム
- 消臭サプリメン
どのグッズを利用しても、発汗を完璧に抑えることができるというわけではありません。ですが、発汗そのものを軽減させたり、かいてしまった汗から臭いが発生しないようにする効果は、高いものばかりです。制汗剤スプレーや、制汗クリーム、汗ふき取りシートなどは直接肌に触れるものであるため、事前にパッチテストなどを行い、肌への影響を確認しておく必要があります。
適度な運動
汗をかく機能でもある汗腺を、活発的に活動させるには、日常的に汗をかくという習慣を身に着けることが大事です。日常的に適度な運動をすれば、ほどよく汗をかくことができるため、汗腺の働きも活発化します。また適度な運動をすることにより、健康的な体を手に入れることもできます。
冷房設備に頼りすぎない
近年の真夏日の平均気温は、一昔前に比べると随分高くなってきました。そのため、屋内にいても冷房は欠かせません。冷房の効いた部屋にいることが当たり前となり、しかも長時間そのような部屋に留まることで、汗をかく機会はほとんどなくなってしまいました。
この悪しき習慣こそ、汗腺の働きを鈍らせている原因です。汗をかく機会がなければ、当然汗腺は機能する必要もなくなるため、いざ汗をかくという時にはすっかり衰え始めています。冷房設備はとても重要ですが、臭わない汗をかけるようになるためにも、クーラーに頼りすぎず、適度に汗をかく習慣を身に着けることが、何よりも自分の体のためになるのです。