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肝心なのは臭いを出さない予防!汗をかく本当の理由と対策

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汗の匂いのメカニズム

人間の体は、常時体温を36〜37℃に保っています。高すぎる体温は体の組織を維持できず、特に熱に弱い脳にダメージを与えてしまいます。運動する場合も、体温が高すぎると体に取り込んだ栄養素を過剰消費して代謝が早まり長時間動けなくなってしまいます。低すぎると代謝が迅速に行われないため、脳が活動できなくなり意識を失ってしまいます。

人間の体は、体温が高くなると勝手に汗腺から体の中の水分を汗として体外に排出します。汗として排出された水分は、蒸発(気化)するとき時に熱を必要とするため体温を奪います。その結果、体温が下がるのです。人間の体は、このようにして体温を調節しています。

汗には、体温調節機能のほかに保湿成分である乳酸と尿素で皮膚表面の保湿を保つ機能や免疫力や抵抗力など高める機能があります。汗の出る汗腺には、全身にあるエクリン腺とわきや外陰部などにあるアポクリン腺の2種類があります。

エクリン腺からは、気温が高く暑いと感じる時や運動して体温が上がったときに汗が出ます。アポクリン腺からは、動物学的な性的アピール(フェロモンに似た役割)を持つ汗が出ます。

エクリン腺から出る汗の成分は、99%が水で1%の中に塩化ナトリウム、カリウム、カルシウム、乳酸、アミノ酸、尿酸、重炭酸イオンなど含まれますがほとんど臭いがしません。

アポクリン腺から出る汗の成分は、水、蛋白質、脂質、脂肪酸、コレステロール類、鉄分などで特有の臭いを持っています。皮膚には、トリグリセリド、ジグリセリド、モノグリセリドや脂肪酸を成分とする皮脂を分泌する皮脂腺もあります。

汗をかくと、皮膚の表面に汗腺から出た汗(水分)と皮脂腺から出た皮脂、皮膚常在菌、古い角質が剥がれ落ちた垢(あか)が混在することになります。この状況になると、表皮ブドウ球菌、アクネ桿菌、黄色ブドウ球菌、マラセチア真菌など205種類に及ぶ皮膚常在菌の活動が活発になり脂質、蛋白質、アミノ酸などの酸化分解を始めます。

1〜2時間で発生したガスには、数百種類の成分が含まれています。酸化分解で発生したガスは、分解臭や酸化臭と呼ばれ汗の臭いとなります。

エクリン腺は、全身にあり特に手のひらや足の裏に多く見られます。厚い角質で靴や靴下で密閉されている足の裏の独特の臭いは、イソ吉草酸という成分が原因です。

アポクリン腺は、わき、外陰部、乳輪、肛門、外耳道、ヘソなどにあり皮膚常在菌が多くいます。動物学的な性的アピールの汗を出すため、思春期から40代半ばまでが活性時期です。特にわきにはアポクリン腺が多く、わき独特の臭いは3-メチル-2-ヘキセン酸、ニルケトン類などの成分が原因で、臭いが強いとわきになります。

汗の匂い対策

汗をかく前の匂い対策として、皮膚常在菌は腋毛や陰毛などに多く存在しますので通気性をよくすることです。女性は腋毛を剃ってしまう人がほとんどですが、男性もカットするなどして短くすることで通気性がよくなります。

汗を放置すると汚れやゴミが付着し臭いの原因になります。乾燥したタオルを使用して汗を拭きとると、皮膚表面の水分をすべて奪ってしまうため、体は潤いを取り戻そうとまた汗を出します。

悪循環にならないためには、濡れたタオルなどでこまめに拭き取るようにします。汗拭きシートを使用すると、汗がふき取れるだけでなく雑菌や皮脂汚れも一緒にふき取れるので効果的です。髪の毛が濡れた場合は、濡れたまま放置すると頭髪に雑菌が繁殖し毛髪が臭いを吸着、凝縮しますので必ず乾かします。

汗が衣類に染み込むと雑菌を繁殖しやすくさせ臭いの原因となります。汗脇パッドなどを使用すると、汗が衣類に染み込むことを防ぐことができます。

市販の臭い抑制品を使う対策

それほど臭いがしない場合の対策は、制汗シートで定期的にふき取るだけです。市販の臭い対策商品には、汗腺を塞ぐタイプ、汗の分泌自体を抑えるタイプ、雑菌の繁殖を抑えるタイプ、殺菌・防臭タイプ、消臭タイプ、マスキングタイプなどがあります。

汗腺を塞ぐタイプや汗の分泌自体を抑えるタイプによる対策は、文字通り汗が出るのを塞いでしまいますので汗が出にくくなります。入浴やシャワー後など水分が汗腺を塞いでいるときなどに使用することは、効果が得られない間違った使用法です。就寝前に使用すると対策として効果があります。

雑菌の繁殖を抑えるタイプには、ACH(クロルヒドロキシアルミニウム)や塩化アルミニウムなどの成分が使用されています。汗の成分である重炭酸イオンは、汗をアルカリ性にして皮膚表面にいる皮膚常在菌の繁殖を増進させるため繰り返し使用することになります。

殺菌・防臭タイプには、クレゾール、塩化ベンザルコニウム、イソプロピルメチルフェノール、抗菌成分トリクロサンなどの成分が使用されています。皮膚常在菌を殺菌して分解臭の発生を抑えるので、皮膚に使用すると抗菌効果が持続し静菌力に優れた効力を発揮します。

消臭タイプは、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、シクロデキストリン誘導体などの金属酸化物などで物理的科学的に臭いを吸着します。汗の量が多いと効果は薄れてしまいます。マスキングタイプは、香りで体臭を覆うタイプで柔軟剤などに多いタイプです。臭いによっては、香水と同じように不快感を与えてしまいます。

臭いがきつい人の対策には、軟膏、スティック、ロールオン、クリームなど向いています。わきがの方は、無香性にしないと違和感のある臭いになってしまいます。スプレータイプは、一般的にわきがの原因であるアポクリン線の汗を抑える効果がすくないので臭いのきつくない方に向いています。

複数の商品の使用や塗りすぎは皮膚常在菌の中の、表皮ブドウ球菌やプロピオニバクテリウムといった善玉菌をも殺してしまいます。その場合、逆に臭いがきつくなることがあります。

生活習慣を見直し予防

汗の臭いの原因を根本的に解決するには、生活習慣の見直しが予防になります。喫煙やアルコール、ストレス、不規則な食生活も原因になります。規則正しい生活や禁煙、アルコールを控え、適度なストレス発散が必要です。ストレスを発散させるのには、入浴が効果的です。

疲労物質である乳酸がたまると汗にアンモニア臭が出ます。疲労回復に効果があるのは、抗酸化作用を持つ黒酢などです。普段積極的水分を摂らないと臭いの原因になります。水分をとる際は、軟水より硬水の方が適しています。

毎日の食事が臭いの原因になっていることがあります。塩分糖分のとりすぎや早食いなども原因になります。肉、魚、卵、バター、チョコレートなど動物性たんぱく質や脂肪の多いものは、体の中で臭いの原因を多く作る結果になってしまいます。

ファストフードやインスタント食品など添加物を多く含んだ食品の偏食も同様です。にんにくや香辛料など臭いが強い食品の過剰摂取や薬剤の摂取で臭いが出ることもあります。蛋白質は分解されるとアンモニアや硫化水素などを発生させます。脂肪分解は脂肪酸となり皮脂が分泌され臭いの原因になります。

乳酸菌、オリゴ糖、食物繊維、緑黄色野菜、きのこなどは腸内環境を整え、善玉菌を増やして臭いを作り出す悪玉菌を減らします。乳酸菌は、ヨーグルト、豆乳、納豆などの大豆食品で摂取できます。

オリゴ糖は、アスパラガス、玉ねぎ、キャベツ、ごぼう、じゃがいも、大根などで摂取できます。食物繊維は、めかぶ、わかめ、もずく、ひじきなどで摂取できます。緑黄色野菜は、ほうれん草、ごぼう、さつまいも、にんじん、里芋などの野菜です。バナナ、メロンなどの果物やきのこにも腸内環境を整える働きがあります。

臭いの原因の一つに、血液の濃さや血流が関係している場合もあります。玉ねぎの栄養素である硫化アリルは、血液がかたまるのを抑制しサラサラにするデトックス効果があります。青魚に含まれるDHAは、血流を促進する働きがあります。DHAは、いわし、あじ、さんま、さばなどに多く含まれています。

運動不足も臭いの原因になります。適度に運動をしていないと汗腺機能は低下し、毛穴に老廃物などが溜まり臭いの原因となります。有酸素運動をすると20分以降に血中脂肪酸が燃焼され、脂肪酸血中濃度が下がって体臭予防になります。30分以上のウォーキングをすれば、適度な汗をかくことができます。

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